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知らされなかった危険 ~胆管がん 相次ぐ死亡報告~ サムスン電子の工場でなぜ白血病は多発したのか?



引用

成分の98%は1,2-ジクロロプロパン

なぜ気付くのが遅れたのか
立岩記者:従業員の方々、取材しますと、なんとなくおかしいんじゃないかとみんな思ってるんですね。
過去には会社の経営側に対してこれ、おかしいんではないのかと思ってる人もいるんですよ。

もう一つ、今回の話を聞いて、取材を始めたときに、遺族の方にお聞きしたんですけれども、遺族の方、みんな驚いて、うちの息子は会社によくしてもらったというふうに言うんですよね。
中には、自分の責任だと母親である自分の責任だっていうふうに思ってる方もいるんですよ。
ですから、なかなかご遺族も、従業員の方も問題として表に出しづらい、結局は潜在化しちゃうということがあったと思うんですね。

立岩記者:企業もおかしいなと思ってる節はあるんですね。
VTRにもあったような感じで、どんどんどんどん病気になっていく中で、何かをしなきゃいけないと思ってるんですよ。
ですからその例えば、活性炭を置いてみたりとか、職場環境をなんとかしようと思うんですけれども、結局は洗浄剤と、一番重要な部分ですから、それを替えようとは思わない。
しかも危険だという情報がないわけですから、替える必要ないわけですね。
やはりそういう自分たちに都合のいい情報に乗ってしまう、結局何も変わらないということがあったと思う。
そういう状況ですね。

●非常に危険な場所であったのになぜ気が付かないのか

2017最近





引用

キム・ウンギョンは半導体工場で、ウェハーに載せる半導体のチップを作る仕事をしていた。

「チップの周辺に、虫の足みたいに細いものが何本か出ているでしょ。あれを折り曲げる仕事でした」

折り曲げた後に、必ず行う作業があった。洗浄である。目の前に置かれた容器に液体が入っており、それをティッシュペーパーにつけて、チップを何度も拭く。

「液体はすぐになくなります。だから、液体がたくさん入った大きなタンクのところに何度も補充に行かなければなりませんでした。水のように大量に使っていましたね」

キムは、その液体が何であるかを教えられていなかった。しかし、容器に「TC」と書かれていたのを覚えていた。

TC—トリクロロエチレンだ。WHOの付属機関で、化学物質の発がん性を認定している国際がん研究機関(IARC)が、「人に対する発がん性が認められる」(グループ1)と規定している物質だ。

そして、キムが発症した白血病は、血液のがんである。彼女はこう振り返る。


引用
こうしたやり取りが何度か続いた後、私はある人物の名前を出してみた。大阪の胆管がん多発事件で、その発症率が異常に高いものであることを疫学調査 で確認した熊谷信二(産業医科大学教授)だ。胆管がんの多発は、熊谷の綿密な調査がなければ社会問題として取り上げられることはなく、私が報じることも難 しかったと思う。

当時のことを思い出しつつ、私はこんな話をしてみた。

「熊谷先生という方は、疫学調査をするとき、研究室に籠もって寝食を忘れ、延々と計算を続けるんです。いったんそれを始めると、横に私がいてもまったく気にしなくなる。気の遠くなるような作業ですが、真実に近づこうとする科学者の気骨を見たような気がしました」

すると、これまで滑らかに話していた元幹部の表情に変化が見えた。やがて、おずおずとこう尋ねてきた。

「立岩さん、あなたは熊谷教授をご存じなのですか?」

「はい」

「日本の大阪の印刷工場でがん発症の原因となった化学物質がありますね。ええと・・・」

元幹部が思い出そうとしていたのは「1,2-ジクロロプロパン」のことだ。私たちが胆管がん多発事件の真相を追う中で、印刷会社の元従業員への取材から特定した洗浄剤の原料である。
「『1,2-ジクロロプロパン』ですね。それが今年6月に、IARCで人への発がん性が認められる物質(グループ1)として指定されたことを知っていますか?」

と私が問うと、元幹部は心なしか前のめりになったような姿勢で答えた。

「はい。そのために熊谷教授が奮闘されたことも、日本政府が威信をかけた積極的な対応で発表に臨んだことも知っています。リヨンで開かれたIARCの会合では、参加した政府関係者、研究者がスタンディングオベーションで熊谷教授に敬意を表したんですよ」

「そんなことがあったのですか」

私は少し驚いた。今年6月3日から10日まで、フランスのリヨンで開催されたIARCの研究者会合で、前述のように1,2ジクロロプロパンが「人へ の発がん性が認められる物質」に指定されたのだが、これは熊谷の尽力によるところが大きい。私はその結果をNHK の国際放送「World News TV」で報じたが、会合で熊谷がスタンディングオベーションを受けるという晴れがましい場があったとは知らなかった。


「数字のからくり」を明かす衝撃の証言

熊谷への敬意で元幹部と一致点を見出したところで、私はこんな質問を投げかけてみた。

「熊谷教授は私に言いました。発症率を計算するときは、分数の分母と分子に何を入れるかを間違えたら正確な結果は出ない、と。あなたには説明する必 要もないと思いますが、分母とは化学物質にさらされた人すべての数、分子とはその中で病気を発症した人の数です。ファン・ユミさんのサムスン電子のケース では、分母は何だったのですか?」

すると、元幹部はふっと何かを諦めたような表情になってこう答えた。

「調査はいろいろな観点から行いましたが、分母には、韓国国内の半導体産業の工場で働く就労者すべての数を入れました」

「え? サムスン電子以外の企業も含めた、韓国の半導体工場で働く人たち全員ですか?」

「はい。(白血病の発症を)詳しく調べるためには、全体を対象にする必要がありますから」

「で、分子はファン・ユミさん1人だったのですか?」

「はい・・・」

サムスン電子の半導体工場で働く社員だけで、5万人規模に上る。他の大小合わせたさまざま企業の半導体工場の分も合わせると、それをかなり上回る数 字になることは容易に想像がつく。その数を分母にし、ファン・ユミ1人だけを分子にすれば、白血病の発症率は当然ながら、10万人に1人~2人という韓国 社会全体の数字と同レベルか、それを下回るものになるはずだ。

そして、分子の数が1というのも明らかに不適切である。なぜなら当時すでに、ファン・ユミの同僚数人も白血病で死亡していることが報告されていたからだ。

「分子がファン・ユミさん1人になっているのはおかしくないですか? 彼女の同僚たちも白血病で亡くなっていたわけですよね?」


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なかなかいい話だった。(*^_^*)





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