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市川先生の中性子のお話とJ-PARCの落ち葉は大丈夫か?

ここにすごい市川先生のお話が載っていた。是非とも全部読んで欲しい。私は簡潔に引用させていただく。

コンバインド発電で脱原発
低線被曝リスクについて市川氏が語る
引用
2003.8.25 臨界事故被害者の裁判を支援する会

東海村との関わり

それから知識として持っていたのは、ここで99年の9月30日に起こった臨界事故と同じことが、核技術の開発の初期に何回かアメリカやソ連で起こっていたことは書物で知っていました。だから、そういうことが日本の原子力開発の初期にも起こるんじゃないかという心配は持っていました。

アメリカにいる時にムラサキツユクサを見つけたんですが、やがて、現在でもまだ使われていますが、働く人の許容線量の20分の1まで下げても、これだけ突然変異が起こるということをムラサキツユクサで実験的に証明したところ、アメリカの原子力委員会から公表禁止という措置を受けました。

我々の体の中にも細胞分裂の方向が決まっているものがあります。心臓なんかを作っている筋肉がそうです。いつも同じ方向に細胞分裂しています。そういうことで無重力は危険だという報告書を書いたら、今度はNASAにより、それも発表禁止になりました。


大宮のガンマフィールド施設での実験

そういう経緯を経て、帰ってからずっとガンマフィールドで何年間か続けて、そして1970年に初めて許容線量の7分の1でも、これだけ突然変異が起こって、しかも線量と突然変異の発生率はきれいな比例関係になっているということを英語での論文で発表しました。口頭で発表したのは70年ですが、71年に英語の論文で発表しました。
 そういうのが出てしまうと、アメリカ側で1966年から67年にかけて出したデータの公表禁止というのは無意味になってしまって、アメリカでのデータもその後許可が出まして、72年に発表されました。その72年の論文を出したことによって、許容線量の20分の1でもこれだけ突然変異が起こって、それ以上ではずっと線量と比例関係になるということが証明されました。


放射線の「しきい値説」を否定

そういうことで今度はアメリカの、その当時はEPAといって環境保護局だったんですが、今は省に上がってますが、そこの招待で1980年にアメリカで招待講演をして、それ以来外国では少なくとも放射線の「しきい値説」を取る人はいなくなりました。学問上もいなくなったし、法律上もなくなっています。ところが、日本だけはまだ「しきい値説」なんです、法律上も。これだけの危険度を見積らなければいけないというのが国際的な委員会で出てても、日本の法律は変わっていません。

そういうふうに、核分裂の結果としてできるもののなかには、非常に長寿命のも短寿命のもあるんですが、そういう寿命に合わせて被曝が減っていったら、どういう結果がでるだろうか。あるいは逆に、降下する放射能の量が増えていった時にどうなるだろうか。それをシミュレーションする実験をガンマフィールドで何度もくり返しまして、汚染量が増えたり減っていったりした時に、ムラサキツユクサの反応はどうなるかというのを調べ、シミュレーションの理論と、実際に一致するということも証明しました。


JCOの事故を知らされて

 とにかく、こういうことで縁があったんですが、このJCOの事故が起こった時に、まず驚いたのは、それが起こってしまったということに驚いたんですが、それを知ったのはどういうことかといいますと、ある新聞社の記者が私の研究室に電話をかけてきました。当日の午後です。比較的早い時間にかけてきました。

そして、水戸局に勤めていた記者ですが、今、東海村に飛んでいったら、工場の近くの人が、建物の中の2階の窓から青い光が見えたと、つまり青い光が出ていたと言ったという。それは女性の記者なんですが、その人に僕は「それは臨界事故だ、それしかない」と言いました。


壁をつらぬく中性子

 新聞社とか、それらが知る前に僕が知ってしまったというのは、その時に次いで今回2度目だったんです。とにかく、そういうことが起こりますと、何がまず飛び出してくるかといったら、高エネルギーの速中性子がどんどん出てきます、核分裂によって。それはコンクリートの壁だとか、そんなものは簡単に貫きます。なぜかというと、名前のとおり「中性」子といって、プラスの電気も、マイナスの電気も帯びてないから中性。中性子とは、そういう粒子なんですけども、それは、いろいろなものを貫いて小さな粒子が飛び出していくわけです。
 だから、あの建物の壁ぐらいではほとんど何の障害にもならなくて、そのままどんどん飛び出します。しかも事故が起こったときに、あそこの施設では普通の測定器、ガンマ線を測定するガイガーカウンターで測定しようとしましたが、ほとんどかかりません。中性子は通常の計数器では測定できませんから。だから、ある意味では安心したというか、すぐには非常事態体制をとろうという手はずをしなかった。ただし、作業をしていた3人は酷い状態になっているんで救急車を呼んで搬送した。ところが、放射能で汚染されているということを一切言ってませんから、消防士も被曝しましたし、それにあたった人も被曝した。臨界になって中性子が出てるということをすぐには気がつかなかったわけです。中性子の測定は原研とか、そういう原子炉を持ってるところしかなかったんです。JCOは本来はそれを備えるべきだったのに、それがなかったために、中性子を測定しなかった。


測定が遅れた中性子

 そして、臨界状態が20時間続いて、たくさんの作業員の決死で、相当の被曝を受けながらも作業をして、臨界状態が止まったのは20時間後でした。そのために作業所にいた人、近所の家にも中性子が届いてますから、最初350メートル以内ということにしましたけども、350メートル以内の避難とか、そういうことをさせたのは、だいぶ時間が経ってからです。その間、ずっと現場でみんな被曝を受け続けさせられたわけです。

 そして、原研から中性子の測定器を持ってきて測定し始めたのは、もう臨界事故が終わりに近いころです。だから今、被曝した線量の推定をしてるのも、初期の時の状態がわかってないもんだから、初めのうちはこれくらいと言っていたのが、いやいやもっと少ないと言ってみたり、そういう言いかえをする根拠になっているわけです。確たるデータがないからです。
さっき言ったように、青い光を知らせてくれた記者も被曝者になりました。何も防御なしでそばまで行ったわけですから。ただし、そこに住んでる人から比べたら滞在した時間はずっと短かかった。とにかく、そういうことであれだけ多数の660人を超す人たちが、今、当局の方がそういう対象とする数としてるのが、それだけになってるんですが、それも今度また基準を上げて減らそうとしている動きが強いんです。
 とにかく、あれだけの事故が起こったし、極めて顕著な、きつい急性障害を出した人が3人、実際作業をしてた人で、そのうち2人が亡くなってしまった。そういう事故に至ったわけです。


中性子被曝とは

 それで、いちばんの問題は、主たる被曝が中性子だということです。被曝量の圧倒的大部分が中性子被曝でした。先ほど言ったように、中性子は貫通性が強くて、プラスもマイナスも電荷を持ってませんから、直進性が強くてまっすぐ飛びます。ところが、我々の体に入りますと、どういうことが起こるかといいますと、中性子というのは、陽子とともに原子核を構成していますが、陽子と中性子は同じ大きさなんです。重さも同じです。厳密にはわずかに違うんですけども。しかし、陽子というのはプラスの電気を持っています。中性子は電気を持っていない。

 我々の体の中の元素のなかで圧倒的に多いのは水素です。だいたい体の8割ぐらいが水分でしょ。水というのはH20でしょ。水素原子2つと酸素原子が1つ。それから炭水化物、例えばブドウ糖はC6H12O6と、Hが一番多く入ってるでしょ。それは炭水化物全部そうです。単糖類のブドウ糖でも、多糖類といって糖がたくさんついてるでん粉、それがみんな基本でできてますから。たくさん水素を持ってます。脂肪もそうです。ただ、タンパク質ももちろんたくさん水素を持ってるんですが、タンパク質には他に窒素が入ってるわけです。
 とにかく、体の中で分子を作っている原子核として圧倒的に多いのは水素なんです。その水素の原子核は陽子1個です。さっきも言ったように、陽子と中性子は同じ重さ、同じ大きさですから、中性子が飛んできて、体の中に入ってくると、圧倒的に多い水素の原子核とぶつかるわけです。そしたら、同じ大きさですから、そのスピードで水素の陽子を追い出すんです。そういうのを弾性衝突といいまして、物理的にボンとぶつかって跳ね飛ぶということです。それで水素から陽子を追い出してしまうんです。
 追い出された陽子は中性子の速度が速いほど高い運動エネルギーを得るんです。そして、エネルギーは得るけども、陽子はプラスの電気を持ってますから、体の中のいろんな分子が持ってるマイナスの電子と、プラスとマイナスでくっつこうとするわけです。そのくっつこうとする力でどんどんスピードがゆるめられるので、追い出された陽子は早いスピードで出たものでも、せいぜい数十ミクロンぐらいしか飛ばないんです。そこで止まっちゃうんです。もっともっと何度も衝突を繰り返して、エネルギーが弱ってスピードが遅くなってる中性子が飛び込んで陽子を追い出しますと、その陽子はより小さいエネルギーしかもらえませんから、はじめから遠くへ飛べない。だから簡単に、さっきも言ったようにプラスとマイナスの電気作用で電気ブレーキがかかって止まっちゃう。そういう時には、ほんとに何ミクロンしか飛ばない。


低エネルギーの中性子の影響


 結局は中性子が陽子にかわって、その陽子が走った距離のその周囲だけに大きな放射線のエネルギーを集中的に与えます。中性子の方は、だんだん速度を失って、だんだん運動のエネルギーが小さくなりますが、そのため、あとから追い出された陽子ほど高い密度で放射線のエネルギーを与えてしまうことがあります。陽子線のエネルギーを。
 ここで大事なことは、粒子線といって、粒状のものが放射線である場合には、運動のエネルギーが小さくなればなるほど、放射線として体の細胞や組織に吸収されるエネルギーは大きくなる。なぜかというと、エネルギーが小さいほど短い距離しか飛びませんから、放射線のエネルギーがその短い間に集中的に与えることになり、その放射線の密度は大きくなります。だから、あとでまた触れますが、中性子の実験をやりますと、低エネルギーの、運動エネルギーを失った中性子ほど生物効果は大きくなります。
 とにかく、そういうことで中性子被曝というのは非常に深刻な問題を持っているということを理解してください。普通にレントゲンを受けた時に、エックス線も貫通力が強いからレントゲン撮影に使うわけですが、それは電磁波という放射線で、所々でイオン化を起こして、そこにエネルギーを与えるんです。ところが中性子は、今言ったように、いろんな原子や分子と衝突しながら、速度をどんどん落としながら、落とせば落とすほど短いところでまたぶつかって速度が衰えて。そういうことを繰り返しますから、中性子が体の中に入ってきますと、比較的短い距離の間にエネルギーが集中的に吸収されて放射線効果が大きくなるという、そういう中性子被曝の特質を持ってます。
 エックス線の場合ですと、ある量を外から受けますと体のいろんなところが受けるエネルギー量がほぼ均一に、しかもぽつんぽつんと所々に確率論的に吸収されるだけで、集中的な被曝が起こることはありません。ところが、アルファー線(陽子2つと中性子2つの粒子で、ヘリウムの原子核と同じ)もそうなんですが、これも生物効果が大きくなるのは同じことなんです。


建物から漏れ出た放射能


 そういうことで中性子被曝というのが、今現実に起こっているんだということを僕は知ったわけですが、臨界状態になったことが、どういう過程で起こったかということは電話を受けた時点では知るよしもなかったのです。あそこでやってるのは、いろんなところから注文されている核燃料棒に入れる核物資を製造してるわけです。ところが、後で分ったことは、もっと濃度の高い、特別な原子炉に入れるのを製造してて、それを許可を得た方法ではなく、しかも時間が迫られてたからバケツでもって入れるという粗暴なこともやっていたことだったのです。

 電話で聞いた時は何が起こったかのか具体的には何もわかりません。ただ、わかったことは臨界状態になって核分裂がどんどん続いているということ。したがって中性子がどんどん飛び出しているということです。それから、核分裂も起こってるわけですから、原子炉の中でウランの核分裂によって、いろんな、自然界には存在しない人工の放射性核種、核分裂生成物ともいうんですが、いろんなものが出ています。それはガンマ線とベータ線を出すとか、ベータ線とアルファ線を出すとか、そういう性質を持ってますが、中性子ほど遠いとこまで届きませんから、壁が十分厚ければ透過力のあるガンマ線でもそれで遮られて、あまり外には出ない。

 ところが、そこのなかの空気が、例えばケガをした作業者を運び出すためとか、中性子には役に立たないガイガー計数器でまわりの放射線を調べようとした時、慌てて出入りした際に、中でできてた放射性核種も外に出たはずです。ただし、その場合、あの日は一定の風の方向がありまして、僕は忘れてしまいましたけども、一定の風の方向があって、建物内から漏れ出た放射能は間違いなく風下にしか行きません。中性子のように、風に関係なしに、あらゆる方向に、地面の方向にも真上にも、東西南北どこへでも飛ぶ中性子とは違います。


時期外れの落ち葉

 それから数日たった時、民放テレビの記者から電話がかかってきたんです。事件当日の風下の方の桜の葉や、他の落葉樹の葉がどんどん落ちてると。何でそんなに葉っぱが落ちるのか、まだ紅葉して落葉する時期でもないのにと。僕はすぐに言ったんです。中性子というのは、さっき言ったような働き方をしますから、葉の茎(葉柄)のような細いところに中性子が飛び込みますと、そこに集中被曝を与えますから、葉柄の組織が壊されて青いまま落ちちゃうんです。葉っぱには穴があくだけなんですが、葉柄のところにあたりますと落ちる。だから、それも速中性子が飛びかってた証拠だが、速中性子は風下だけに行くんじゃないと言いました。

それで次の日、僕もつき合って現場を見に行ったんですが、案の定、風下とは関係なしに近いところほど葉っぱがいっぱい落ちててました。これは風の方向とは無関係に起こる事象ですから。素人考えすると、これは「放射能」だと思ってるから、風下だけで起こったと思ってるんだけど、さっき言ったように核分裂の結果、建物の中でできた放射能が飛び散っていることと、中性子が貫通して出ていくこととは全く違う現象だし、したがって生物に与える影響も全く違ったわけです。


大宮ガンマフィールドで白血病患者

 中性子の事故というのは、そういう特殊な性質を持ってることをお話しましたが、僕たちは、低線量被曝だけじゃなくて、放射線の種類によってどれだけ生物効果が違うのか、同じ放射線、中性子なら中性子でもエネルギーの大きさによって、どれだけ生物効果が違うかという研究をずっと続けてきました。
 また、一番最初にお話したように、アメリカのブルックヘブン国立研究所で、エックス線と速中性子の低レベル被曝が突然変異に関してはしきい値は全くなくて、どんなに小さくてもそれに比例して起こるんだということを実験的に証明して、それが公表禁止になったから、常陸大宮のガンマフィールドで実験的証明を繰り返したということを言いました。それは限られた放射線だけの現象なのか、他の放射線でもそうなのかということを調べなきゃいけません。

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後はリンク先を全部読んでください、いつもながら市川先生のお話は素人にも大変分かりやすい。

ガンマーフィールドでの白血病を証明したところも面白い、なんとあの御用の近藤宗平と一緒に仕事をされていたところも大変面白い。


J-PARCで今年の夏は落ち葉が見られたら、それは中性子線被曝の証明となる。

周辺エリアで夏なのに落ち葉が見られたらそこまで飛んできた証明だ。5円玉の亜鉛の放射化を調べるよりは簡単だ。

今年は野外観察が必須となった!!!



JCO事故における中性子の飛程 ~五円玉が語る意外な事実


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ジャンル : 政治・経済

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