「日本の市民運動はもっと利口になれ」宇都宮健児氏、都知事選を振り返る

The Huffington Post | 執筆者: 吉野太一郎
「日本の市民運動はもっと利口になれ」宇都宮健児氏、都知事選を振り返る
抜粋引用

――今回、告示前日に立候補を取りやめた最大の要因は何だったのですか?

撤退直前の選対事務局は電話、メールの7割ぐらいが「早く降りろ」「何をやってんだ」というもので、私の法律事務所にも殺到したんです。前回の細川(護熙・元首相)が出たときと一緒。今回は降りたとたんに「なんで応援に来ないんだ」と変わっていくわけですよ。

私は暴力団やヤミ金融を相手にしてきましたから比較的慣れているけど、純粋に市民運動を考えている人は心が痛むわけですよね。昨日まで一緒にやっていた人と別れて、そういう人たちからバッシングや誹謗中傷が浴びせられる。政党に近い人は股割き状態。自民党は小池さんを応援したら一族郎党処分するというお触れを出したけど、こちらにも政党の処分、除名覚悟でやるという人もいたんです


「それも賛成です」と言われた。鳥越サイドとしては、政策を丸呑みすれば宇都宮は降りてくれるんじゃないかと期待したらしいけど、それは政策協定でも何でもなく、口頭のやりとりなんですね


――鳥越さんが予想外の大差で負けた原因はどうご覧になりましたか。

知名度頼りで勝てる候補選びを保守の側がやった結果、2回続けて猪瀬、舛添と、政治とカネの問題で任期途中で辞職に追い込まれた。そういう候補者選びを今度は野党がやっちゃった


もう一つ、鳥越さんがよく演説で言っていた非核都市宣言や憲法改悪阻止の問題、原発ゼロは、国政レベルで重要だけど、都政は国じゃないですから、都知事選は都民の生活や暮らしをどうするかが問われている。その意識転換がなかったんじゃないか。世論調査で国民が重視する政策は、雇用や景気が3割、社会保障が3割、原発とか憲法は1割以下なんです。都民からすれば置き去りにされていると感じる共闘態勢だったのではないか。1100万人の有権者がいますから、とりわけ無党派層の支持を得られないと勝てないんですよ。そういう人たちの所に届く運動、政策、声を発信できなかったんじゃないですかね。


――今回は候補者間の政策論争が不発でした。鳥越さんの政策発信が弱かったことが大きいと思います

社民、共産は支持する市民団体があるから、街頭宣伝にある程度人は集まってくるんですね。私の時もとても多く集まりました。ただ、1万人集まっても1100万有権者の0.1%、しかも来るのは元々入れてくれる人なんですね。問題はそういう所に来ない人、無関心のまま信号を渡っている人に届くような選挙活動をどうするかが、1回戦った上での大きな問題意識だったので、2回目はツイキャスや、午後8時を過ぎたあともニコニコ生放送(ニコ生)で発信するなど、街頭に来られない人にどうアプローチするかを意識的に心がけていたんです

テレビの公開討論は1%の視聴率で100万人、10%の視聴率なら1000万人が見ますから非常に重要です。ところが前回、細川さんは公開討論を16回キャンセルした。今回、鳥越さんも何回かキャンセルしました。そこもかなりマイナスに作用しているんじゃないかと思うんです。堂々と小池さんや増田さんと論争して論破していかないと、街頭宣伝で熱心にやってくれる人たちの票だけではとても勝てないんですよ。


――野党共闘は、どうして結束できなかったんでしょう

選ぶ過程で市民団体がどの程度意見を反映させたのか。本来なら公開討論でやるべきですよ。選ぶ過程自体が一つのイベントだと思いますけど、「もう決まりましたから従って」とやったら、まったく都民にアピールできない。細川さんに続いて、これで2回、こんなことを繰り返してるわけですから、日本の市民運動はもっと利口にならなきゃいけない。市民運動と政党とのあり方をもっと考える必要がありますね。


――投開票日のニコ生では「『安倍政権の独裁に反対する』と言いながら、政党が密室で決めた候補を無条件に支持する」市民運動を批判していました


これまでの市民運動はデモとか集会はよくやるけど、選挙闘争を保守の側と勝ち抜くための訓練が極めて弱いと思います。

国政選挙でもそうですよ。何を重視して投票するかといったら、景気、雇用、社会福祉が3割なんですよ。憲法とか原発は一桁台です。だから憲法問題を最前線に押し出して、ワンイシューで戦うというのはもともと敗北主義ですよね。国民生活や、国民が今抱える問題についてもちゃんと解決策を打ち出して、期待に応えられて、かつ憲法改悪阻止、反原発の人をつくりあげていかないといけないんですよ。反原発だけ言っておけば選挙に受かるかというと、受からないですよ。都政の問題で言えば、都知事選が終わったら都政の問題が頭から飛んじゃうようじゃダメですね。本当に都政を変えようと思ったら次の選挙まで都政について勉強する、都議会の傍聴もやる。そういうことを続けないと保守支配は変わらないんですよ。


保守の人たちは盆踊りに行ったり、地域の行事に顔を出したり、いろいろやってるでしょ。それ以上のことをやらないといけないんですよ。東京でいえば、区市町村議会や都議会から変えていかないといけない。野党連合で知事選に勝ったとしても6割は自公の都議ですから、条例1つ通せない。そこへ鳥越さんを押し出していくということであれば、勝ったあとも都議会傍聴を繰り返して、自公の抵抗や妨害を許さないという監視活動をやらないといけない。そういう覚悟が全体として十分、準備されていなかった気がしますね

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野党連合で知事選に勝ったとしても6割は自公の都議ですから、条例1つ通せない。そこへ鳥越さんを押し出していくということであれば、勝ったあとも都議会傍聴を繰り返して、自公の抵抗や妨害を許さないという監視活動をやらないといけない。そういう覚悟が全体として十分、準備されていなかった


ここでまた思い出して頭にきて、暴言罵倒誹謗中傷が出てくるところだが、ぐっと我慢してお祈りするばかりだ

お盆も近いので、あほな人はご先祖さんが連れて行ってくれるだろうと考えて





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